上司への誕生日プレゼントにノベルゲームつくってみた!

人とのコミュニケーション方法はときメモで覚えた。
はばたき学園卒業生、デザイナーのsasakamaです。諸君、はばたけ!

突然ですが年末、こんなものを作りました。

お父さんお母さん、安心してください。わたし、毎日ちゃんと仕事してます。

実は弊社は月ごとに誕生日会を開催しておりまして、
毎回ちょっとしたサプライズを企画したり、日頃の感謝の思いをしたためた寄せ書きを渡したりしているのですが…

今年はやたらと凝ったサプライズが多く、毎回上がり続けるハードルに終止符を打つため「年末に一番クオリティ高いものつくっちゃって終わりにしない?」という先輩の一言からこの計画はスタートしたのでした。

ということで今回は、めちゃめちゃド素人がゲームをつくった過程(約2ヶ月間)のレポートをおおくりします。
サプライズのアイデアが尽きてお困りの皆さん、意外と簡単なのでぜひ参考にしてみてください!

1.話の流れと担当を決める

そもそもなぜこんな企画になってしまったかというと、12月の誕生日実行委員4名の内、yosukey先輩と私が学生時代によく恋愛シミュレーションをやっていてくわしかったから、あと面白そうだったからという単純な理由からでした。それが最終的にこんな大掛かりなものになるとはつゆ知らず…

ストーリーと担当を決めるはじめの打ち合わせでは、入れたい小ネタを話すうちに楽しくなってしまい広げすぎた風呂敷を畳むのに苦戦。
結局もっと話を膨らませたくなったり、辻褄合わせのために言葉を足したりするので、話の大筋や分岐は制作期間を考えて軽めにしておくのが良いかと思います!

はじめに決めたこと・共有したこと

①ゲームの目的、何をもってクリアとするか
→社員との親睦を深めながら、 5日後にあるヒロさん(メイン攻略対象)の誕生日会の準備を進め、成功させること。作っていてきまずいので恋愛ゲームではなくネタゲーにする。
 
②攻略対象キャラ、サブキャラの数
→ メイン攻略対象:1人、他男性陣(サブ):5人、隠しキャラ:1人
 
③主人公および各キャラの設定
→ 主人公:今月入った新人デザイナー、その他:ほぼ本人のエピソードを忠実に少し脚色
 
④エンディングの数(TRUE・NORMAL・BADの数)
→ TRUE:1、NORMAL:1、各キャラ専用BAD:5、隠しBAD:1、独りBAD:1
 
⑤分岐の条件(選択肢の選択回数など)
→ TRUE:メイン3回・他選択肢2回選択、NORMAL:メイン5回選択、各キャラ専用BAD:メイン以外の男性陣各4以上、隠しBAD:ユーサクさんを4回選択の後出てくる2択の正解の方を3回連続で選択、独りBAD:上記のどの条件にも当てはまらない場合
 
⑥各担当者決め
→ ストーリー:yosukey先輩・koyamaくん、イラスト:ryokoさん・koyamaくん・sasakama、ゲーム作成:sasakama
 
⑦プレイ時間(文章の長さ)
→ およそ5分
 
⑧イラストの点数
→ 立ち絵:7点(メインの表情差分3点、サブの差分1点×2人)、スチル(イベント時の一枚絵):11点、TRUEエンドのエンドロール後に全社員の寄せ書きを表示させたい。
 
⑨全体の雰囲気、絵柄
→ ちょっと古臭い感じ。現実より美化させる。

 
2回(2時間)の打ち合わせで決めたことはだいたいこんな感じです。特にゲームの目的とクリア条件については、早めに決めておかないと話が散漫になってしまうので、はじめに定めておくのがいいと思います。主軸(コンセプト)を定めておかないと一貫性のないものに仕上がってしまうところはデザインと似ていますね。(無理矢理デザインと絡めていくスタイル)

そして実はここで大事なことを決め忘れていたのです…
それはゲーム中の5日間に何回会話のシーンがあるかということ。意思の疎通ができたと思い込んでゲームのシステムを組んでいる間にストーリーを書いてもらう形にしていたので、後々穴埋めのための文章を追加で書くことになってしまったのでした。一人でやる場合は問題ないですが、共同でやる際にはしっかり事前確認しないといけないですね!

ちなみにyosukey先輩は最後までオープニングにムービーを入れたがっていましたが、エンドロールを入れ込むだけでもエラーが出まくりでめんどくさくなったので却下させていただきました。

2.書く!描く!つくる!

yosukey先輩がテキストを打ってくださっている間にゲームのベースを作っていきます。
今回は初心者でも簡単に、無料でノベルゲームが作れる「ティラノビルダー」を使ってゲームを作成していきました。

HTMLやCSSなどに明るい方には、より自由度の高い「ティラノスクリプト」がオススメです。
簡単なシステムであれば公式の作り方の説明を見れば概ね問題なくできましたし、インターフェイスをいい感じにカスタムできるフリースキンや練習用の素材なども公式で配布されているのですごく助かりました。
ちなみにこちらで作成したゲームはPC・タブレット・スマホにも対応しているうえに、商用利用も可能とのこと!(一部制約あり)無料でこのクオリティはすごい…!

そして、見よう見まねでがんばって作った編集画面がこちら!

ティラノビルダーの編集画面

左のメニューからやりたい動作を真ん中にドラックして、テキストや数値を入れるだけ。データは上から順番に読み込まれていく形で、区画ごとに名前をつけて(ラベルのこと)リンクさせたりするところがCSSとちょっと似ている気がします。そんなかんじで操作は簡単なのですが、やはり初心者なので以下のようなエラーがちょいちょい出たりもしました。もし作成中に同じようなことが発生したら確認してみると直るかもしれません…。

ゲーム作成中エラーがでて特に困ったこと

①ストーリーのリンク先をまちがえて無限ループに陥る
→ 1~5日目の共通の流れの部分を流用したくてコピー&ペーストしたのですが、ラベルを同じ名前のまま設定していたため、リンクの修正忘れに気付きにくかった。
 
②パラメーター値や選択肢によって指定の場所にジャンプするはずなのに飛ばない…
→ 「ジャンプ」や「分岐ボタン」など、ラベル内の一番後ろには必ず「停止」をいれる。
 
③パラメーターの数値が周回プレイするとリセットされずに継続される
→ リセットさせるスクリプトを一番最後に入れないといけないようです。私の場合一括でやる方法を試したのですがうまくいかなかったので、変数を代入して初期値に戻しました。
 
④書き出してサーバーにアップすると音楽やエンドロールが流れない
→ スマホとPCでは対応できるファイル形式が違うらしく、同じ名前のままm4aとogg形式で書き出し、bgmフォルダにいれてアップしないといけませんでした。
動画も同じく、mp4とwebmで書き出してvideoフォルダに入れればOK。ちなみにゲームにアクセスしてすぐBGMを入れて再生されない場合は、BGMの前にワンクッション動作をいれると解消するようです。ただし作成画面上のテストプレイ画面では流れてくれません…

 
などなど…正しい対処法は私もよくわかってないので、公式さんから販売されているマニュアルを買ってよんでくださいね!

 

一方、イラストもこんな感じで立ち絵から描き始めていきました。

上段2名:ryokoさん、下段5名:sasakama

 
こちらの立ち絵とストーリーを元にスチルイラストの作成に入っていきます。
できたらゲームに組み込む。それだけ!!

3.デバックと公開

デバック確認はエラー個所がテキストで確認できる「ティラノライダー」で行ったあと、メンバーで一通り動作と誤字確認。デバックが完了したら書き出して公開です!
ちなみに公開方法は、ティラノビルダーさんの無料公開用サーバー「ノベルゲームコレクション」に公開したり、
「ティラノプレイヤー」でアプリ化したりと色々あるようです。

サーバーにアップしてから、互換性の問題なのか何箇所かバグが見つかったりしたので、そこを直すのが一番今回の作業の中で大変だったかもしれません。
また、実は隠れて実行委員メンバーのサプライズに追加シナリオをコソコソ作っていたので、こちらもバレないよう隠しながら作業するのが大変でした…。

そんなこんなで頑張った甲斐あって、当日は万事うまくいきサプライズも大成功でした!誕生日会当日は、みんなご飯よりゲームに夢中になってくれてとてもうれしかったです!!

 

最後までご覧いただきありがとうございます。
このように文章さえあれば簡単にゲームがつくれるノベルゲーム製作ツール、ぜひ使ってみてはいかがでしょうか!