とあるデザイン会社の日常 ~写植時代のデザイン編(前半)~

写植時代のデザインを発見


こんにちは。唐突に始まった漫画ですが、デザイン会社で奮闘するいちデザイナーを追ってみたいと思います。

簡単な自己紹介

Ryoko
Ryoko

子供の頃から絵を描くことが好きで美大に入り、銅版画を学ぶ。卒業後、WEB会社や様々なバイトを経て、デザインに興味を持ちレベルフォーデザインに就職。いろんなデザインを見て、ものの捉え方、考え方を勉強中。

最近疑問に思ったデザインとアートの違い

自己紹介ついでに話が少し逸れますが、デザインといっても様々なジャンルがありますね。ファッション、建築、グラフィック、WEB….。私は昔はアート系の展覧会しか行かなかったし、デザインとアートと別物だと思っていました。

デザインとアートの定義は人によって様々だと思います。グラフィックデザイナーの原研哉さんは、アートは個人的な意志表明であり、その発生源も個的なもので、デザインは基本的には個人の自己表出が動機ではなく、その発端は社会の側にあると著書に記しています。ただデザイナーにもアートディレクターという呼び名があるくらいなので、明確な違いを分けることに、それほどの意味は感じられません。デザインには広義のデザイン、狭義のデザインがあり、狭義のデザインは意匠やものの形を追うこと、広義のデザインは狭義のデザインを含めつつ、企画、計画し目的を達成することです。ファインアート出身ということもあり、ものの形の面白さに捉われてしまう癖がなかなか抜けませんが、広義のデザインを意識し、見方を養っていきたいと思っています。

デザインが印刷されるまでの工程

というわけで、会社の印刷機の横に、遺跡のように鎮座していたデザインケースを見つけました。
中から出てきたのは、社長の昔のデザイン。赤ペンでトレーシングペーパーに細かく指示されている色指定は、版下と呼ばれた職人さんに向けて記されていたそうです。今と全く異なるデザインの工程に頭が混乱してしまったので、自分でも色々調べてみました。

写植とはその名の通り、写真の原理を用い印字する「写真植字」の略です。文字盤というネガ状になったガラス版に光を当て、文字の部分のみ透過し印字するという仕組みです。版下は印字紙にデザイナーが指示した通りに文字を切り貼りし、製版の元となる原稿です。1980年代後半にMACが上陸し、使える書体が増えるにつれ、グラフィックデザインはパソコンでの作業が主流となっていったそうです。

写植文字や図版を切り貼りした版下

トレーシングペーパーに赤字で指示している

版下をよーく見ると、一字ずつ切り貼りし、文字の間を詰めている部分がある..。デザイナーはそのような工程を経るまで、印刷での仕上がりが見れなかったそう。だから写植-版下の職人さんと密に連携しないといけなかったんですね。今は修正もパソコン一つで出来てしまうので便利にはなりましたが、文字などの修正もデザイナーがすることになったので、その分の時間をデザイナーが取られがちということでした。
次回は若い人にはなかなか知ることのできない写植時代のエピソード、デザインの変化をまとめてみたいと思います!

(後半へ続く)

 
 

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