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ひたちなか海浜鉄道の駅名標のデザインが、遊び心で溢れていました
ひたちなか海浜鉄道の駅名標。それぞれの駅の特徴にあったデザインです。
湊線の始点勝田駅は人々が並んで待ち、ローカル線としては鎌倉にも劣らぬ人気があるのではと思いました。ひたちなか海浜公園のネモフィラの時期と重なっていたので、その影響もあると思いますが、老若男女の乗客で賑わっています。ユニークな湊線駅名標は2015年にグッドデザイン賞を受賞しています。グッドデザイン賞とはその名のとおりデザインが優れた物事に贈られる賞ですが、駅名標では初めての獲得だそうです。そのデザインをフィナンシェのパッケージに使用した「トレナンシェ」も駅で売られています。地図や道案内のサインも凝っていて、先ほどの日立駅のモダンさといい、街全体がデザインで復興しているなあと感激しました。
那珂湊駅のマップと道案内
那珂湊駅はアイドルの駅猫と歴史的建造物、市場など見所がいっぱい
それぞれの駅に特色があったので一駅ずつ降りてみて、絵など描いて廻りましたが、反射炉を見るため少し歩くことにしました。那珂湊駅には駅猫として大人気のおさむ君の姿も。駅舎の中にはミニさむ君も寝ていました。両猫とも大人しくて、とても寛いでいる様子でした。しかし残念ながら、おさむ君は今年2019年6月に亡くなられたそうです。ニュースやSNSには、おさむ君との思い出が綴られた記事が沢山残っています。
反射炉とは火炎を炉内で放射させ、1200℃~1600℃の高温を効率的に保ちながら加熱し鉱石や金属を製錬・溶解する炉のことを指すのだそうです。当時は5月にも関わらず、まだ桜も残っていて風情がありました。近くの湊公園は水戸藩別邸、い賓閣(いひんかく)跡だそうで、ひたちなか市全体の景色が望める絶景です。樹齢300年以上の天然記念物の松もあり、綺麗に整備され静かに休みたい人にとっては穴場の公園でした。
(左)ベンチにいたおさむ君。(右)那珂湊駅からアクセスできる反射炉。
湊公園はとても綺麗な公園でした。
那珂湊おさかな市場は隠れた癒しのスポット
お腹が空いてきたこともあり、そのまま歩いて那珂湊おさかな市場へ。おさかな市場は沢山の海産物と出店が並んでいて、とても活気がありました。生牡蠣なども手頃な値段で食べられます。暮れゆく海もいい感じの絵になる風景です。次の日は笠間の陶炎祭に立寄り、帰路につきました。
那珂湊おさかな市場。牡蠣が安くて美味しかったです。
今回それほど下調べをせず、茨城県の日立市〜ひたちなか市〜笠間市に行きましたが、それらの市はデザインやアートを街全体に溶け込ませ、うまく復興に繋げている印象がありました。ひたちなか海浜鉄道は赤字路線から脱し延伸になるなど、その軌跡は地方鉄道再生のモデルケースになることも多いそうです。もちろん沿線環境の良さなども大きいと思いますが、都会の喧噪を離れ、地域の生活に密着したデザインに触れたいと意図があったので思わぬ収穫が多い旅でした。
日立駅周辺のスケッチの一部